労働衛生コンサルタントについて
労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタント試験に合格し、厚生労働大臣指定登録機関の登録を受けて、事業場における労働衛生の水準の向上を図るため、事業者からの依頼により事業場の衛生についての診断や、これに基づく指導を業として行う専門家です。労働衛生に関する高い専門知識はもちろん、豊富な経験に裏付けられた高い指導力、業務に関する信用の保持が求められます。
受験について
1.試験の区分
労働衛生コンサルタント試験は、次の試験の区分ごとに筆記試験及び口述試験によって行います。
①保健衛生、②労働衛生工学
上記試験の区分の”①”及び”②”のうち、いずれか一つを受験できます。
2.試験科目・試験時間
試 験 科 目 | 方 法 | 出題数(配点) | 試 験 時 間 |
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労働衛生一般 | 択一式 | 30問(300点) | 10:00~12:00 |
労働衛生関係法令 | 択一式 | 15問(150点) | 13:00~14:00 |
専門科目 健康管理 労働衛生工学 |
記述式 (試験の区分に応じて該当する1科目を選択) |
2問(300点) | 14:30~16:30 |
- 解答に当たっては、令和7年4月1日(火)現在施行の法令等を前提とします。
3.受験資格
受験資格 | 添付書類 | |||
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1 | 学校教育法による大学(短期大学を除く。)若しくは旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上衛生の実務【注意1】に従事した経験を有するもの | ・卒業証書の写し又は卒業(修了)証明書の原本若しくは写し ・経歴等証明書 |
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2 | 学校教育法による短期大学(同法による専門職大学の前期課程(以下「専門職大学前期課程」という。)を含む。)又は高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者(専門職大学前期課程にあっては、修了した者)で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
3 | 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
4 | 医師法(昭和23年法律第201号)第9条の医師国家試験に合格した者、同法第36条第1項の規定により医師免許を受けた者とみなされた者及び同法第41条の規定により医師免許を受けることができる者 | ・免許証の写し又は合格証の写し | ||
5 | 歯科医師法(昭和23年法律第202号)第9条の歯科医師国家試験に合格した者、同法第33条第1項の規定により歯科医師免許を受けた者とみなされた者及び同法第42条の規定により歯科医師免許を受けることができる者 | |||
6 | 薬剤師 | ・免許証の写し | ||
7 | 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第2条の保健師として10年以上その業務に従事した者 | ・免許証の写し ・経歴等証明書 |
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8 | 技術士法(昭和58年法律第25号)第4条第1項に規程する第二次試験に合格した者(以下「技術士試験合格者」という。) | ・登録証の写し合格証の写し又は登録証明書の原本若しくは写し | ||
9 | 建築士法(昭和25 年法律第202号)第4条第2項に規定する一級建築士の免許を受けることができる者 | 令和2年12月14日以前の1級建築士試験に合格した者 | ・免許証の写し、 登録証の写し又は 合格通知書の写し |
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令和2年12月15日以後の1級建築士試験に合格した者 | すでに1級建築士免許を受けた者 | ・免許証の写し 又は登録証の写し |
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まだ1級建築士免許を受けていない者 | ・合格通知書の写し ・経歴等証明書 |
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10 | 労働安全衛生法第12条第1項の規定による衛生管理者【注意2】のうち、衛生工学衛生管理者免許を受けた者で、その後3年以上同法第10条第1項各号の業務のうち衛生に係る技術的事項で衛生工学に関するものの管理の業務【注意3】に従事した経験を有する者 | ・免許証の写し ・経歴等証明書 |
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11 | 労働安全衛生法第12条第1項の規定による衛生管理者【注意2】として10年以上その職務に従事した者 | |||
12 | 厚生労働大臣の登録を受けた者が行う衛生に関する講習【注意4】を修了し、かつ、15年以上衛生の実務に従事した経験を有する者 | ・修了証の写し ・経歴等証明書 |
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13 | 旧高等学校令による高等学校高等科、旧大学令による大学予科又は旧師範教育令による高等師範学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ・卒業証書の写し又は卒業証明書の原本若しくは写し ・経歴等証明書 |
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14 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(理科系統の正規の課程を修めた者に限る。)又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者で、その後5年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
15 | 労働災害防止団体法第12条第1項の衛生管理士(以下「衛生管理士」という。)又は衛生管理士であった者 | ・経歴等証明書 | ||
16 | 労働安全衛生法第93条第1項の労働衛生専門官(以下「労働衛生専門官」という。)又は労働衛生専門官であった者で、8年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
17 | 職業能力開発促進法施行規則第9条に定める普通課程の普通職業訓練のうち同令別表第2に定めるところにより行われるもの(旧能開法規則別表第3に定めるところにより行われる普通課程の養成訓練並びに訓練法規則別表第1の普通訓練課程及び旧訓練法第9条第1項の高等訓練課程の養成訓練を含む。)(当該訓練において履習すべき専攻学科又は専門学科の主たる学科が工学に関する学科であるものに限る。)を修了した者で、その後10年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ・職業訓練修了証の写し ・経歴等証明書 |
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職業能力開発促進法施行規則第9条に定める専門課程又は同令第36条の2第2項に定める特定専門課程の高度職業訓練のうち同令別表第6に定めるところにより行われるもの(旧能開法規則別表第3の2に定めるところにより行われる専門課程の養成訓練並びに訓練法規則別表第1の専門訓練課程及び旧訓練法第9条第1項の特別高等訓練課程の養成訓練を含む。)(当該訓練において履習すべき専攻学科又は専門学科の主たる学科が工学に関する科目であるものに限る。)を修了した者で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ||||
職業能力開発促進法施行規則第9条に定める応用課程の高度職業訓練のうち同令別表第7に定めるところにより行われるもの(当該訓練において履習すべき専攻学科の主たる学科が工学に関する科目であるものに限る。)を修了した者で、その後5年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ||||
18 | 労働基準監督官として8年以上その職務に従事した者 | ・経歴等証明書 | ||
19 | 外国において学校教育における16年の課程を修了した者のうち、その最終の学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ・卒業証書の写し又は卒業証明書の原本若しくは写し ・経歴等証明書 |
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20 | 外国において学校教育における14年の課程を修了した者のうち、その最終の学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
21 | 次に掲げる教育施設を卒業した者で、その後5年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの 教育施設(水産大学校、防衛大学校、気象大学校、海上保安大学校) | |||
22 | 次に掲げる学校その他の教育施設を卒業した者で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの 教育施設(都道府県農業講習所、航空大学校、海技大学校本科、旧中央気象台気象技術官養成所の研究科又は本科、旧国立工業教員養成所、旧東京農業教育専門学校、旧水産講習所又は旧函館水産専門学校、旧高等農業講習所本科、旧商船学校、旧陸海軍の学校等、旧海軍技手養成所) | |||
23 | 学校教育法による大学(短期大学を除く。)若しくは旧大学令による専門学校を卒業した者で、その後大学又は公共的な研究機関において7年以上、専ら労働衛生に関する研究に従事したもの | |||
24 | 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(昭和33年法律第76号)第2条第1項の臨床検査技師又は同条第2項の衛生検査技師として10年以上その業務に従事した者 | ・免許証の写し又は登録証の写し ・経歴等証明書 |
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25 | 日本国有鉄道が設置する教習機関において工学に関する課程(学校教育法による大学における工学に関する学科に準ずるものに限る。)を修めて卒業した者で、その後7年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | ・卒業証書の写し又は卒業証明書の原本若しくは写し ・経歴等証明書 |
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26 | 日本国有鉄道が設置する教習機関において工学に関する課程(学校教育法による高等学校における工学に関する学科に準ずるものに限る。)を修めて卒業した者で、その後10年以上衛生の実務に従事した経験を有するもの | |||
27 | 作業環境測定法(昭和50年法律第28号)第7条の登録を受けた者(以下「作業環境測定士」という。)で、その後3年以上作業環境測定士としての業務に従事した経験を有するもの | ・登録証の写し ・経歴等証明書 |
- 衛生の実務とは、事業場の労働衛生管理部門の管理職、衛生管理者等のほか生産現場等において労働衛生管理を担当し、所掌する者が下記の業務を行うことを示します。
- ① 労働衛生管理計画の企画、立案及び運営に関すること
- ② 労働者の健康診断及びその事後措置に関すること
- ③ 作業環境や作業条件の調査、測定やその改善に関すること
- ④ 衛生教育計画の作成、運営に関すること
- ⑤ 有害物中毒等の調査、分析に関すること
- 衛生管理者の免許を受けた者であっても、次のものは受験資格がありません。
- ① 常時50人以上の労働者を使用する事業場において衛生管理者として選任されていない者
- ② 常時50人未満の労働者を使用する事業場において衛生管理者として選任された者
- 衛生工学衛生管理者免許を受けて常時50人以上の事業場で衛生管理者に選任されている者であっても、当該事業場において、特に衛生工学に関する技術的事項の管理が必要とされる業務※がない場合は受験資格がありません。
※ 坑内労働又は労働基準法施行規則第18条第1号、第3号から第5号まで、若しくは第9号に掲げる業務
- 1号 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
- 3号 ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
- 4号 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
- 5号 異常気圧下における業務
- 9号 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務
- 「厚生労働大臣の登録を受けた者が行う衛生に関する講習」は、平成21年9月30日以前に財団法人労働安全衛生研修所が行った「労働安全衛生大学講座」(当該講座の受講者のうち、特別の資格証明書の発行を受けたものに関し行われた講習に限る。)が該当します。
4.科目の免除資格
科目の免除を受けることができる資格を有する者 | 試験の区分 | 免除を受けることができる科目 | 添付書類 | ||
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1 | 医師国家試験合格者、医師法第36条第1項の規定により医師免許を受けた者とみなされた者及び同法第41条の規定により医師免許を受けることができる者又は歯科医師国家試験合格者、歯科医師法第33条第1項の規定により歯科医師免許を受けた者とみなされた者及び同法第42条の規定により歯科医師免許を受けることができる者 | 厚生労働大臣が指定する者(法人に限る。)が行う講習【注意1】を修了した者 | 保健衛生 | 全科目 | ・免許証の写し ・修了証の写し |
2 | 上記の者 | その他の者 | 保健衛生 | 労働衛生一般 健康管理 |
・免許証の写し |
3 | 薬剤師 | 保健衛生 | 労働衛生一般 | ||
4 | 保健師として10年以上その業務に従事した者 | 保健衛生 | 労働衛生一般 | ・免許証の写し ・経歴等証明書 |
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5 | 技術士試験合格者で、衛生工学部門に係る第二次試験に合格したもの | 労働衛生工学 | 労働衛生工学 | ・登録証の写し、合格証の写し又は登録証明書の原本若しくは写し | |
6 | 衛生管理士又は労働衛生専門官として7年以上その職務に従事した者 | 全区分 | 労働衛生一般 | ・経歴等証明書 | |
7 | 労働衛生専門官として7年以上その職務に従事した者 | 全区分 | 労働衛生関係法令 | ||
8 | 健康管理に係る中央労働衛生専門官又は独立行政法人労働者健康安全機構(独立行政法人産業医学総合研究所及び独立行政法人労働安全衛生総合研究所を含む。以下この表において同じ。)において健康管理に関する研究に関する企画、指導等を行う者として5年以上その職務に従事した者 | 保健衛生 | 健康管理 | ||
9 | 労働衛生工学に係る中央労働衛生専門官又は独立行政法人労働者健康安全機構において労働衛生工学に関する研究に関する企画、指導等を行う者として5年以上その職務に従事した者 | 労働衛生工学 | 労働衛生工学 | ||
10 | 労働基準監督官(労働基準監督官採用試験のうち労働基準監督Bの区分試験に合格して採用された者その他これに準ずる者に限る。)として10年以上その職務に従事した者 | 全区分 | 労働衛生一般 | ||
11 | 労働基準監督官として10年以上その職務に従事した者 | 全区分 | 労働衛生関係法令 | ||
12 | 作業環境測定士 | 労働衛生工学 | 労働衛生一般 労働衛生関係法令 |
・登録証の写し |
- 「厚生労働大臣が指定する者(法人に限る。)が行う講習」には、次の①~③が該当します。
- ① 公益社団法人日本医師会が行う「産業医学講習会」
- ② 公益社団法人日本歯科医師会が行う「産業医学講習会」
- ③ 学校法人産業医科大学が行う「産業医学基本講座」
※産業医研修(「認定産業医研修会」、「基礎研修会」など)は該当しません。
※認定産業医の認定証は免除資格書類ではありません。
受験申請から資格の取得まで
- 受験申請書を入手
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- 郵送による請求を希望する方は受験申請書の請求を参照してください。
- 郵送による請求のほか、当協会及び各センターの窓口で入手できます。
窓口時間:8:30~17:00
〈当協会及びセンターの休業日は、土曜日、日曜日、国民の祝日・休日、年末年始(12月29日~1月3日)及び創立記念日(5月1日)です。〉
- 受験申請書類を作成
-
- 添付書類
受験資格を参照し、受験を希望する試験の区分に応じた書類を作成してください。 - 試験手数料
所定の払込用紙を用いて払込みください。
試験手数料については、試験案内を参照してください。 - 証明写真(2.4cm×3.0cm)
- 添付書類
- 受験申請書を提出
- 受験票の受取
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- 筆記試験の受験票は、9月下旬に当協会本部から受験者に送付します。
- 9月中に受験票が届かないときは、必ず提出先に問合せしてください。
- 筆記試験(筆記試験免除の方は口述試験へ)
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- 合格基準
総点数のおおむね60%以上とする。ただし、1科目につき、その満点の40%未満のものがある場合は、不合格とする。
- 合格基準
- 試験結果の通知等(筆記試験免除の方は口述試験へ)
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- 12月上旬に当協会のホームページに合格者の受験番号を掲載します。
- 12月下旬に、合格の場合は「口述試験受験票」を送付し、それ以外の場合は「筆記試験結果通知書」を送付します。
- 試験結果についての電話等による照会には一切応じられません。なお、12月中に「口述試験受験票」又は「筆記試験結果通知書」が届かない場合は、必ず提出先に問合せしてください。
- 口述試験
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- 合格基準
4段階評価の上位2ランクのものを合格とする。
なお、口述試験の合格者をもって、最終合格者とする。
- 合格基準
- 試験結果の通知等
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- 2月下旬に当協会のホームページに合格者の受験番号を掲載します。
- 合格の場合は「合格証」、それ以外の場合は「口述試験結果通知書」を送付します。
- 試験結果についての電話等による照会には一切応じられません。なお、試験結果発表日を10日以上過ぎても「合格証」等が届かない場合は、御連絡ください。
- 合格